ごあいさつ
寒い冬から春に変わる日の匂いがはっきりわかった時の嬉しさ。うまれたての草木の色、やわらかさ。桜の花が咲き、どんどん緑が濃くなって陽の光が力強くなる。
蛙がないて、夜空に蛍が舞う。陽射しを避けて日陰に入った時の心地よさ。谷川の水にキラキラした木漏れ日が当たって美しさに見とれてしまった日々。稲穂が実ってサラサラとなびく風の音。日が短くなって行く頃の夕焼の美しさ。ストーブの上でしゅんしゅん音がするやかん。霜柱を踏みしめる音。お正月にお客様を迎えるお料理の匂いで目覚める新年。
生まれ育った生家もとうとう空き家になりました。家はやっぱり人が集うのを一番喜んでくれると思うから…思い切ってレストランを始めました。気取ったお料理ではなく、フランスで言うとビストロ、ってところでしょうか。